木材チップ船用クレーン アシスト自動運転の実用化へ

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国内製紙会社向け木材チップ専用船に搭載されるアンローディングシステムを一手に供給を続けている 相浦機械は、チップ荷揚げ専用クレーンの部分自動運転の実用化に取り組むことを発表致しました。


幣社および海上技術安全研究所・日本郵船株式会社・株式会社MTI・株式会社大島造船所・国立大学法人 豊橋技術科学大学・シンフォニアテクノロジー株式会社は、共同研究として2018年から取り組んだ国土交通省による先進船舶導入等計画策定支援事業“木材チップ運搬船荷役用 ジブクレーン・油圧ショベルの協調自律運転に関する研究開発計画の策定のための調査事業“ を完了しました。その成果の一部として、クレーン運転者の荷役作業をアシストする部分自動運転の開発に目処をつけ、この技術を実用化するに当り「木材チップ運搬船荷役用 ジブクレーンの自動運転に関する研究開発」について国交省の先進船舶導入計画としての認定を取得しました。


木材チップのクレーン荷揚げ作業は、貨物倉の木材チップを専用グラブでつかみ、巻き上げ、上甲板に設置されているホッパーに投入する繰り返し作業です。作業は通常昼夜敢行で行われ、繰り返し回数はひとつのクレーンで2ホールド同時荷揚げを行う場合には3,000回程度に達します。
この荷役作業の内、上層部や最下層部の作業は複雑で高度な運転技量を必要とするため、作業は運転者にて手動で実施してもらい、中層部の比較的単純で繰り返しの多い作業を運転者の監視の下で自動化しアシストするものです。ホッパーが満載の時は一旦チップ投入を停止する必要があるが、自動運転中はセンサーでホッパーの状態を監視し自動で待機する機能を持ちます。

今回の自動化はあくまで運転者のアシスト機能ですが、6~8割の作業が自動化されることにより運転者の負荷低減に大いに寄与すると期待されます。幣社はこの技術の実用化を2020年度内を目処に完了する予定です。尚、開発されるシステムは既存の木材チップ船用クレーン(インバータ制御)にもレトロフィット可能です。